安心して家を購入するためにはライフプランの設計が不可欠です。
ライフプランを設計することで、住宅ローンの借入額が判断できたり家を購入するタイミングが整理できたりと、住宅購入の大きな後押しになります。
この記事では、住宅ローンを組む前にライフプランを設計する必要性やその方法について解説します。これから家の購入を検討する方は、ぜひ参考にしてみてください。
住宅ローン利用時にライフプラン設計が不可欠な理由
ライフプランとは、現在の生活費や収入をベースに今後資産がどのように変化していくのかを見える化し、人生の計画を立てることです。
ライフプランを設計することでさまざまなお金の動きが見えるようになります。
ライフプランの必要性について紹介します。
銀行の借入額=安心の借入額ではない
銀行は収入や勤続年数、勤務会社の情報、借入の有無などから融資額を判断します。そこには、今後子どもが生まれる予定や、転職する可能性があることなどは考慮されていません。
銀行の借入回答額のまま住宅ローンを組み、家を購入したものの、思いのほか出費が多く生活に窮するという話は珍しくありません。
お金の動きがしっかり把握できるライフプラン設計は、こういったトラブルを回避できます。
教育費や老後資金、人生の三大支出の把握は必須
住宅資金と並び、教育費と老後資金は人生三大支出と呼ばれています。この内、住宅資金は最初に検討することになりますが、ほかのふたつも同時に検討する必要があります。
たとえば、教育費は幼稚園から大学まですべて国公立に通わせたとしても、1,000万円以上必要で、大学まですべて私立に通わせた場合は2,000万円〜3,000万円の費用が必要といわれています。
また、65歳から100歳までに必要な生活資金は1憶円を超えるとも言われています。
こういった将来のお金がどのくらい必要になるのかを知っておけば、最初に検討する住宅資金で失敗するリスクが減ります。
家を買うことで変化するポイントを知っておく
家を購入することでさまざまな変化があります。家賃が住宅ローンに変わるのはもちろん、家電の買い替えや車台数の増加、固定資産税の支払いといった負担です。
一方、ポジティブな変化もあります。部屋が広くなったりプライベート空間が充実するという点は、家を購入する大きなメリットでしょう。
どちらにおいても必要資金が変化するため、ライフプランを設計することで、どのタイミングで大きなお金が必要になるのかを把握できるようになります。
住宅ローンやライフプランの
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ライフプランの設計方法
ライフプランは自分で設計することも可能ですが、自作のライフプランは大きな落とし穴がいくつかあるため注意が必要です。
この章ではライフプランを自作する方法と注意点について解説します。
ネットの無料シミュレーターを使う
検索サイトで「ライフプラン」と検索した場合、多くの無料シミュレーターが見つかります。それらを使ってお金の増減をある程度確認できます。
ただし、精度はあまり高くないということに留意しておいてください。ライフプランはデータを入力すれば、おおまかなグラフは作成できますが、絵に描いた餅のようなグラフになることが多いです。つまり、生命保険の切替タイミングや確定拠出年金の金額設定が正しいかどうかの判断までは、無料シミュレーターはしてくれず、結局自分で判断するしかないということになります。
そのため、無料シミュレーターで作成したライフプランは参考程度にするとよいでしょう。
エクセルで自作する
エクセルなどの表計算ソフトで自作することも可能です。
インターネット上にある無料シミュレーターとは違い、細かくカスタマイズできるという点は大きなメリットです。自由度が高いライフプランを設計できる一方で知識が必要となります。また、少しでも関数や演算ミスがあると大きく結果が異なってしまい、間違ったデータを基に住宅ローンの借入額を検討する可能性があります。その場合、当然ながら誰も責任を取ってくれません。
ライフプランシミュレーターを自作する時は何人かの人に試験的に利用してもらい、間違いない演算結果となることを確認した上で使用するようにしましょう。
自分で実施するライフプランは注意が必要
無料シミュレーターを利用する場合とエクセルで自作する場合の共通点として、算出された結果に対し判断するのが自分という点があります。
ライフプランは文字通り人生の設計図です。将来発生するイベントに漏れがないかのチェックはもちろん、ほかの人たちがどのような点で費用発生しているのかも知っておく必要があります。
そのため、ライフプランの完成には必ずプロの意見が必要となり、無料シミュレーターもしくは自作する場合は自らがライフプランのプロになる必要があります。自分で設計する際には、抜け漏れなどがないか十分に確認しましょう。
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ファイナンシャルプランナーに相談する
住宅ローンを組むために、ライフプランのプロとなることは、ハードルが高いように思います。そのため、ファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。
ファイナンシャルプランナーとは
ファイナンシャルプランナーとは資産運用のプロです。一般の方が無理のない計画で資金計画できるようアドバイスをし、適切なライフプランの設計を行います。
一般的にファイナンシャルプランナーはFP技能試験に合格しており、2級以上の資格保持者となります。そのため、住宅ローンの適正な借入額の提案、車の買い替えタイミングや旅行や趣味の費用に至るまですべての項目にアドバイスをしてくれます。
また、NISAやiDeCoといった資産運用についても導入すべきかどうかのアドバイスも受けられます。資産運用については導入した方がよいというイメージがあるものの、手元の資金を使うことになる上に効果が表れるのは数十年先になります。老後を考え、多額の投資を早い段階で行い、生活が苦しくなるのは本末転倒といえるでしょう。
資産運用と将来の安心とのバランスを見える化してくれるのも、ファイナンシャルプランナーに相談する大きなメリットです。
つまり、家を購入後に生活が苦しくならないよう正しい収支バランスをアドバイスしてくれるのがファイナンシャルプランナーです。
ファイナンシャルプランナーにも得意不得意がある
ライフプラン設計のスペシャリストであるのがファイナンシャルプランナーですが、実は得意分野が分かれています。
生命保険や学資保険といった保険関連に長けているファイナンシャルプランナーもいれば、住宅の購入タイミングに特化したプロもいます。保険関連のプロでも住宅購入のアドバイスはできますが、より精度の高いライフプランを設計するためには、やはり住宅購入に特化したプロに相談することが賢明です。
また、住宅に特化したファイナンシャルプランナーは注文住宅の建物構造についても知識が豊富です。極端な例になりますが、A社とB社で同じ価格の家を建てる場合でも、構造の違いからメンテナンス費用が異なり、ライフプランの結果が変わることもあります。
購入後の家にかかるメンテナンスや太陽光の売電益についてもライフプランに組み込めるため、ライフプラン設計の依頼は住宅に特化したファイナンシャルプランナーに依頼しましょう。
不動産会社から相談してもらえる
住宅購入時に、自らファイナンシャルプランナーを探す必要はありません。購入を相談する不動産会社から、優秀なファイナンシャルプランナーの紹介を受けられます。
不動産を安心して購入するためには必ず高精度の資金計画が必要となり、銀行の借入額だけで物件を選ぶのは大きなリスクがあります。そのため、資金面の心配をクリアにするためにも、ファイナンシャルプランナーを通じてライフプランを設計することは非常に重要です。
失敗と後悔のない家を購入するためにも、家の購入は不動産のプロと資産運用のプロであるファイナンシャルプランナーに相談しましょう。
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