賃貸住宅に家賃を払い続けるより、マンションを購入した方がよいとは、よく耳にします。
実は最近、独身でマンションを買う人が増えています。その理由に、単身世帯の増加や、金利低迷、高齢化などがあげられます。また、金銭的なメリットが大きいという理由もあります。
しかし、実際にマンション購入を検討すると不安も多いのではないでしょうか。マンション購入を後悔しないためにはいくつかのポイントを理解する必要があります。
そこで本記事では、独身がマンション購入を検討する理由と、購入のメリット、後悔しないためのポイントについて紹介します。
独身がマンション購入を検討する理由とは
今までは結婚や子どもが産まれたタイミングで、マンション購入を検討する人が多くいました。しかし、近年では独身でマンションを購入する人が増えています。
ここでは、独身がマンション購入を検討する理由について紹介します。
未婚率の上昇による単身世帯の増加
総務省が発表した「国勢調査」によると、世帯の単身化が一段と進み、一般世帯に占める単身者の割合は全体の38.1%でした。これは5年前と比べて3.5%も増加しています。
2015年 | 2020年 | |
---|---|---|
単身者の割合(%) | 34.6 | 38.1 |
それに伴い未婚率も上昇していて、2035年には男性の約3割が生涯未婚になると予想されています。また、3組のうち1組が離婚する時代となっていて、ますます単身者が増えています。
単身者でも30代から40代で、マンション購入を検討する人が増えています。
それは、住宅ローンを35年利用するには40歳くらいまでに開始しないといけないからです。
住宅ローンの期間を短くすると、それだけ毎月の返済額が増えるため、なるべく長く設定するのが一般的です。
さらに、女性の社会進出も独身のマンション購入の要因になっています。独身女性でもマンションを購入できる経済力がある人が増えてきたからです。
このような要因で、独身でマンション購入する人が増えています。
金利が安く、賃貸より低額で住める
現在の金利は非常に安く、住宅ローン減税で受けられる控除より、住宅ローンで払う利息の方が少ない場合がほとんどです。そこで、住宅ローン金利が安いうちに購入を考えている人が多くいます。
賃貸で払う家賃より、住宅ローンの支払いの方が安いこともあげられます。しかも月々の支払いが同じなら、賃貸物件よりも条件がよいところに住みたいと考えます。
このように、金銭的なメリットでマンション購入を検討する人もいます。
高齢になると賃貸物件を借りづらい
高齢者になると賃貸物件が借りづらくなるので、独身でもマンション購入を検討する人がいます。
高齢者が賃貸物件を借りづらくなる理由は2つです。
入居の際の審査に通りづらくなる
高齢者は年金生活となるため、現役世代より収入が低くなります。そのため、保証会社は高齢者を嫌がる傾向にあります。
高齢者が部屋で孤独死されるリスクを嫌う
孤独死をされてしまうと、今後入居者が入りにくくなります。
家主としては、わざわざリスクを負わなくても、現役世代に貸せばよいと思います。
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独身でマンションを購入するメリットとは
マンションを購入する人が増えている背景として、賃貸よりもメリットを感じている人が多いのも要因です。ここでは、独身でマンションを購入するメリットについて紹介します。
安心して老後を迎えられる
日本人の平均寿命は年々伸びていて、女性の平均寿命は87歳を超えています。
つまり、年金生活になってから、20年以上も生活しなければいけません。しかも、高齢者は物件を借りづらくなるので、住む場所に困る可能性が高いです。
また、年金から家賃を払い続けるのが負担になる人も多いと思います。65歳から85歳まで月々の家賃が10万円なら、合計で2,400万円の支出です。
一方、30歳で35年の住宅ローンを借りたとすると、65歳には返済が終わっている計算です。そして、もし現金が必要になったときには、売却することで手元にお金が入ります。
このように、購入することで老後に住む場所に困ることもなく、マンションという資産を手に入れられます。
保険になる
マンションを購入する際に住宅ローンを利用すると、団体信用生命保険に加入します。
この団体信用生命保険は、もしもの時にローン残高をゼロ円にできます。
ローン残高がゼロ円になってもマンションは残るので、売却もできますし、貸し出すこともできます。
つまり、マンションが手に入る生命保険と考えることができます。
もしもの時とは、死亡した時だけではありません。3大疾病、7大疾病などをカバーしているものもあります。
たとえばガンになった時、住宅ローンの支払いがなくなれば、金銭面がかなり楽になるのではないでしょうか。
このように、住宅ローンを使ってマンションを購入すると、生命保険の代わりになります。生命保険の見直しができるので、保険料を抑えられるかもしれません。
資産運用ができる
マンションは売却したり、貸したりすることができます。
独身時代にマンションを購入して、結婚した時に違う場所に住みたくなったら、売却して頭金にしてもよいでしょう。
また、他人に貸して運用することで、新居の住宅ローン返済額の一部を、家賃収入で賄えます。
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後悔しないためのポイントとは
マンション購入を後悔しないために、今後起きるかもしれないトラブルは把握しておく必要があります。ここでは、後悔しないためのポイントについて紹介します。
ローン返済が難しくなる
社会情勢の変化や、転職、結婚などで、年収が減ることがあります。
収入が減ると、ローンの返済が難しくなってしまいます。そのため、現状の立場を維持しようと考えるかもしれません。
マンションを購入したことにより、行動に制限が出てしまう可能性があることは、覚えておきましょう。
また、マンションには毎月管理費と修繕積立金がかかります。戸建ての場合は10年や15年でまとまった修繕費が必要ですが、マンションの場合は毎月必要になるので注意が必要です。
管理費と修繕積立金の相場はそれぞれ1万~1.5万円です。
相場が変化する
マンションの価格は、社会情勢や周辺環境の変化によって変化します。
需要が下がってしまった場合には、価格が下がってしまう可能性があります。もしマンションを手放すことになっても、思うような価格で売却できないかもしれません。
しかし、価格が上がる可能性もあります。市場のニーズにマッチした物件であれば、購入した時よりも高い値段で売却できるでしょう。
不動産価格は株や仮想通貨のように、ほかの投資と比べると、価格変動が小さいですが、多少の価格変動は受け入れる必要があります。
今後住めなくなるかもしれない
生活環境が変わり、今後住めなくなる可能性もあります。たとえば、下記のようなことがあげられます。
- 転勤をしてその地域から離れなければいけない
- 結婚して手狭になる
- 実家を継がなければいけない
- 田舎など今と違う環境で暮らしたくなった
- 近隣住民とトラブルになった
こうなった場合でも、売却や賃貸ができるので、過度に心配する必要はありません。
購入を検討する前にプロに相談する
独身者はパートナーに相談できず、最終的には自分一人で決断しなければいけません。
マンション購入は人生でも大きな決断です。自分だけで考えず、専門家を頼ることをおすすめします。自分では考えられないような、提案をもらえるでしょう。
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