20代でのマイホーム購入は返済面などで不安も多く、なかなか決断できない方も多いようです。
年収はいくら必要で月々の返済額はいくらくらいになるのかなど、よくある疑問に答えながら、20代で購入するメリットやリスクも含めて紹介していきます。
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20代でマイホームを購入する世帯の年収はいくら?
マイホームを購入する場合に大切なのは無理のないローン返済計画を立てることです。ここでは住宅金融支援機構から発表された「2020年度フラット35利用者調査」をもとに、20代でマイホームを購入する際に必要な年収について紹介します。
物件購入の相場は
まず住宅を購入する場合にどの程度の資金が必要になるのでしょうか。全国の新築戸建ての平均価格は下記のとおりでした。
- 土地付注文住宅:4,397万円
- 注文住宅:3,534万円
- 建売住宅:3,495万円
注文住宅と建売住宅の差はあまりありませんが、土地から購入する場合は全国平均で1,000万円弱上がることが分かります。
年収と家の価格の目安
新築戸建ての平均価格はわかりましたが、次に自身の年収でいくらくらいの物件を購入できるのかを知っておく必要があります。
その際に目安になるのが年収倍率です。
年収倍率とは年収に対する住宅購入価格の比率を示す数字です、平均年収倍率を知ることで自身の年収の何倍が適正なのかを判断できます。
年収倍率の平均は以下のとおりです。
- 土地付注文住宅:7.4倍
- 注文住宅:6.7倍
- 建売住宅:6.8倍
一番高かった土地付き注文住宅の7.4倍で計算をすると下記が購入金額の目安です。
世帯年収 | 購入価格 |
---|---|
300万円 | 2,220万円 |
400万円 | 2,960万円 |
500万円 | 3,700万円 |
600万円 | 4,440万円 |
700万円 | 5,180万円 |
800万円 | 5,920万円 |
年収倍率はあくまで指標のひとつですから、貯蓄額や将来の支出なども考慮して決めましょう。
また、希望物件に対して契約者の年収が足りない場合は、夫婦であれば収入合算として二人の年収の合計額で審査してもらえることがあります。
月々の住宅ローン返済シミュレーション
次に月々の返済について見てきます。ここでポイントなるのが返済負担率です。
返済負担率は年収に対する年間の返済額の割合のことで、住宅ローンの審査の基準になります。
返済負担率の基準を超えてしまうと日々の生活に支障をきたす可能性が高いため、十分に注意しましょう。そもそも返済負担率を超えると住宅ローンの審査に通らない可能性が高いです。
たとえばフラット35では年収400万円未満で30%、年収400万円以上では35%と基準が決められています。
フラット35の審査基準をもとに月々の返済額がどの程度になるのかを確認しましょう。
年収 | 返済負担率 | 毎月の返済額 |
---|---|---|
300万円 | 30% | 7万5,000円 |
400万円 | 35% | 11万6,667円 |
500万円 | 35% | 14万5,833円 |
600万円 | 35% | 17万5,000円 |
700万円 | 35% | 20万4,167円 |
800万円 | 35% | 23万3,333円 |
ここで重要なのは返済比率は住宅ローンのみに限らないということです。
たとえば、車のローンで毎月5万円支払っているとします。そうすると住宅ローンの返済額+5万円=返済負担率となります。
住宅ローンの返済額のみならず、月々の全ての支払額の合計が返済負担率に収まっている必要があります。
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20代でマイホームを購入するおすすめタイミング
マイホームを購入するタイミングで悩む人も多いと思います。ここでは結婚や出産、子供の入学などのライフイベントに合わせて購入する場合のメリットやデメリットをみていきましょう。
小学校入学前のマイホーム購入
子供が転校する必要がない小学校入学前が適切なタイミングのひとつです。
小学校に入学する前にマイホームを購入すれば義務教育の9年間は転校しなくていいため、安定的に子育てできます。
出産後にマイホームを購入
出産のタイミングでマイホームを購入する人も多いです。アパートやマンションで暮らしていると赤ちゃんの泣き声や子供が元気に遊びまわる音がどうしても気になります。
マイホームを購入すればアパートなどの集合住宅よりものびのびと子育てができそうです。
また第二子出産後に購入する場合にも共通することですが、家族構成が固まると購入するマイホームの規模などを決めやすいメリットがあります。
注意をしたいのは出産後の小さい子どもは手がかかります。その状態での引っ越しはたいへんな場合が多いのを覚えておきましょう。
結婚を機にマイホームを購入
結婚したタイミングでマイホームを購入するのはさまざまなメリットがあります。
まずは年収を合算するため、住宅ローンの審査に通りやすいです。
また結婚後という若い時期に住宅ローンを組むことによって完済できる時期が早くなります。たとえば25歳で最長の35年ローンを組んだとしても、60歳で完済することが可能になり、老後は経済的にも精神的にも安心です。
デメリットとしては頭金を多く入れることができないことです。20代では貯蓄できる時期が少ないため頭金を用意できないこともあり住宅ローンの借入額が多くなってしまいます。
借入額が増える分だけ支払利息も増えてしまいます。そして子供ができていないタイミングでマイホームを購入すると間取りを決めにくいです。
子供の数や性別が正確に分からないため家族構成にピッタリの住宅選びをできない可能性があります。
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20代でマイホームを購入するリスクはあるのか
20代という若さでマイホームを購入して後悔するケースもあります。経済的に安定していない20代で購入をする場合は慎重に計画し、分からないことがあれば専門家に相談することも大事です。
将来の不確定要素が多い
20代でマイホームを購入すると将来の不確定要素に左右されやすいです。会社によっては転勤をするという可能性があります。転勤しなければいけなくなった場合に単身赴任をするのか、家族で引っ越すのならばマイホームを売却する必要があります。
売却を前提に購入すると立地や間取りなどニーズが高いかを考える必要があり選択肢が狭くなってしまいます。また結婚や出産の前にマイホームを購入してしまうと、その後の家族構成によっては手狭になってしまうこともあります。
必要な購入資金を借りることができない可能性
20代では必要な物件購入価格を用意することができず、理想のマイホームを購入できない可能性があります。住宅ローンを組む時には年収や勤続年数、頭金の額などによって借入可能額が決まります。
20代では年収も少なく勤続年数も長くはありません。そのため貯蓄額も少ないので借入金額も下がってしまいます。対策としてはマイホーム購入を計画した早い段階から貯蓄をして、少しでも頭金を用意しておくことが大切です。
また可能であれば親から頭金を借りることで、住宅ローンの借入額を増やすこともできます。
返済期間が長くなる
住宅ローンの返済期間が長くなるほど損をしてしまう可能性があります。返済期間を最長の35年に設定すると毎月の返済額を抑えられるというメリットがありますが、その分だけ支払利息が多くなってしまいます。
フラット35ローンシミュレーションで借入額を3,000万円、元利均等返済、固定金利1.0%で比較すると以下の結果になりました。
総返済額 | 毎月の返済額 | |
---|---|---|
35年 | 3,556万7,804円 | 8万4,685円 |
30年 | 3,473万6,908円 | 9万6,491円 |
25年 | 3,391万8,377円 | 11万3,061円 |
返済期間が35年と30年では5年間で約83万円、25年では10年間で約164万円も返済額が変わることが分かります。
長期間の返済は毎月の返済額を抑えることはできますが、返済期間が延びる分だけ支払利息が増えてしまいます。就業形態やライフプランによって選択は様々ですが、返済総額を減らすためには、できるだけ返済期間は短くすることが鉄則です。
住宅購入を検討するには金利や家族構成などさまざまな要素が絡み合ってきます。
住宅ローンのシミュレーションをしっかり行う、ライフプランの作成を行うなどまずは一度専門家に相談するのをおすすめします。
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